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◎小川(1986) 題名:「星に願いを」の訂正箇所
投稿日
: 2006年9月2日<土>23時28分/神奈川県/男性/50代前半 |
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どくたーT 様
今日たまたま『群像』の「星に願いを」連載第一回のコピーが出てきました。それを見たら、大阪に帰ったとき、お母様をよろこばせたアイサツが「ただいま、かえりやした」と書いてありました。二箇所ありますがどちらも同じです。本ではこれが「ただいま、けえりやした」になっています。
このアイサツには武井武雄の本という原典があるから、「けえりやした」が正しいのでしょう。
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◎どくたーT@管理人(1982) 題名:「ワシントンのうた」へのつながり
投稿日
: 2006年9月2日<土>10時33分/東京都/男性/おじさん |
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小川様
ありがとうございます。
「星に願いを」は、庄野さんの老夫婦シリーズの11冊目に当るわけですが、そこでは、「日常の出来事から回想に繋げる」というのが特徴だったようです。私は最初、そこに気がついていませんでした。
そしてこの回想の多用が、現在の「ワシントンのうた」へと繋がっているのでしょうね。
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◎小川(1969) 題名:回想の微妙さ
投稿日
: 2006年9月1日<金>22時35分/神奈川県/男性/50代前半 |
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どくたーT 様
、ありがとうございます。庄野作品について話のできる人がまわりにいないので、掲示板のありがたさ、管理人様のありがたさを感じます。
ところで『星に願いを』の最後ですが、『星に願いを』の全体を見ると、第一章では帝塚山の思い出としての浜木綿の話、第七章ではその浜木綿が弱ってしまったのを再生させた長女の話で、長女は浜木綿を心配して、いつも庭へ浜木綿を見に行ってから家に上ることが紹介されます。そして、第十一章はその両方がまとめて語られてから、「いつもの朝食」をとっている時にその長女が来たことが書かれています。
たしかに浜木綿をめぐる話は、第十一章の「浜木綿咲く(二十二日)」の冒頭の「〜〜咲き出す。うれしい。」以外は全体が回想モードです。
しかし、問題の最後のところは、長女が来たといいながら、それがいつの日のことかはどうでもいいというような感じがあるように思いました。そのあたりの微妙さをどう言ったらいいかが分らなくて「幻想」とか「幻覚」とかいったのですが、これは言い方が大げさすぎました。
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◎どくたーT@管理人(1949) 題名:いろいろと考えました。
投稿日
: 2006年8月31日<木>22時33分/東京都/男性/おじさん |
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小川様
ありがとうございました。末尾の見事さ。確かにそうですね。
「星に願いを」の最後を読み直しながら、もう一度考えてみたのですが、「星に願いを」という作品自身が、日録風でありながら、実際は回想になっている部分が非常に多いです。例えば第11章で見ると、
最初の3行。これは現実です。すぐにこのブルームーンの謂れを38行にわたって書きます。
てっせん咲く。これも2行が現実で、あとは説明。すみだの花火も1行が現実で、あとは謂れです。
「星に願いを」は、「ピノキオ」の主題歌ですが、庄野さんは小さな事実に、思い出を重ねながら、星に願いをかけていったのかも知れません。
小川様のおっしゃる最後も、182ページの「浜木綿咲く(二十二日)」の2行の事実に付随する説明や思い出が187ページまで続いているのですね。
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◎小川(1943) 題名:「ワシントンのうた」第八回の末尾
投稿日
: 2006年8月29日<火>00時26分/神奈川県/男性/50代前半 |
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どくたーT 様
いつも御丁寧にありがとうございます。月刊誌はわたくしも図書館で読むことが多いのですが、『文學界』の8月号は、「ワシントンのうた」の最後の段落を繰りかえし読みたくなって書店で一冊買いました。
庄野さんの文章には、とくに末尾の見事さにうならされるものがあります。
たとえば、『文学交友録』の末尾は、わたくしの大好きな文章で、ここばかり何回読み返したかしれません。
それから『星に願いを』の最後
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私たちがトーストとコーヒーとりんごとお茶のいつもの朝食をたのしんで食べているとき、庭先を通りかかる長女の、
「こにゃにちは」
というアイサツの声が聞える。
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ではじまる末尾の部分も、わたくしが感動したところです。なぜかというと、ここに記された「長女の来訪」は、何月何日かにあった実際のできごとではなく、幻想の世界へ飛躍して幻覚が書かれていると思ったからです。
実際の生活で経験したことだけを書きつづけてきた連作全体が、これで見事にまとめられていると思いました。
それとも、それは勘違いで、この末尾も「長女来る(何月何日)」が省略されただけの、実際のできごとが書かれた文章なのでしょうか。
ところで掲示板の掃除、いつも御苦労さまです。アルファベットだけの投稿は拒否するということができればいいのにと思います。あいにくなにも知識がないため、お力になれず残念です。
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◎どくたーT@管理人(1841) 題名:ご紹介ありがとうございます。
投稿日
: 2006年8月22日<火>22時37分/東京都/男性/おじさん |
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小川様
ご紹介、ありがとうございます。おっしゃるとおりですね。
私も図書館で読んでおりますが、10月号が待ち遠しいです。
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