オペラに行って参りました-2010年(その5)
目次
お勉強 | 2010年12月05日 | 東京室内歌劇場「ラ・カリスト」を聴く |
原作が有名作品であるということ | 2010年12月12日 | 東京オペラプロデュース「シラノ・ド・ベルジュラック」を聴く |
若手のためのおまけ | 2010年12月18日 | D.O.C.G.&アカデミア「劇中音楽会&奥様女中」を聴く |
背中のむず痒さが、ちと足りない | 2010年12月25日 | 新国立劇場「トリスタンとイゾルデ」を聴く |
オペラへ行ってまいりました 過去の記録へのリンク
2010年 | その1 | その2 | その3 | その4 | ||||||
2009年 | その1 | その2 | その3 | その4 | どくたーTのオペラベスト3 2009年 | |||||
2008年 | その1 | その2 | その3 | その4 | どくたーTのオペラベスト3 2008年 | |||||
2007年 | その1 | その2 | その3 | どくたーTのオペラベスト3 2007年 | ||||||
2006年 | その1 | その2 | その3 | どくたーTのオペラベスト3 2006年 | ||||||
2005年 | その1 | その2 | その3 | どくたーTのオペラベスト3 2005年 | ||||||
2004年 | その1 | その2 | その3 | どくたーTのオペラベスト3 2004年 | ||||||
2003年 | その1 | その2 | その3 | どくたーTのオペラベスト3 2003年 | ||||||
2002年 | その1 | その2 | その3 | どくたーTのオペラベスト3 2002年 | ||||||
2001年 | 前半 | 後半 | どくたーTのオペラベスト3 2001年 | |||||||
2000年 | どくたーTのオペラベスト3 2000年 |
鑑賞日:2010年12月5日
入場料:B席 5000円 2F 7列24番
主催:東京室内歌劇場
東京室内歌劇場42期第128回定期公演
オペラ3幕、日本語字幕付原語(イタリア語)上演
カヴァッリ作曲「ラ・カリスト」(La Calisto)
台本:ジョヴァンニ・ファウスティーニ
日本初演
会場:渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
スタッフ
指 揮 | : | 濱田 芳通 | ![]() |
管弦楽 | : | アントネッロ | |
演出・字幕 | : | 伊藤 隆浩 | |
美 術 | : | 古口 幹夫 | |
照 明 | : | 喜多村 貴 | |
衣 裳 | : | 藤井 百合子 | |
音 響 | : | 関口 嘉顕 | |
映 像 | : | 幕内 覚 | |
舞台監督 | : | 堀井 基宏 | |
監 修 | : | 長木 誠司 |
出 演
自然/パーネ | : | 櫻田 亮 |
永遠/ディアーナ | : | 松井 亜希 |
運命/ジュノーネ | : | 田辺 いづみ |
カリスト | : | 澤村 翔子 |
ジョーヴェ | : | 春日 保人 |
メルクーリオ | : | 根岸 一郎 |
エンディミオーネ | : | 上杉 清仁 |
リンフェーア | : | 黒田 大介 |
サティリーノ | : | 藤沢 エリカ |
シルヴァーノ | : | 太田 直樹 |
怒り | : | 岡庭 矢宵 |
怒り | : | 前川 朋子 |
熊 |
: |
宮澤 光太朗 |
アントネッロ
ヴァイオリンT | : | パウル・エレラ |
ヴァイオリンU | : | 戸田 薫 |
ヴァイオリンV | : | 小野 萬里 |
ヴィオラ・ダ・ガンバ | : | なかやま はるみ |
ヴィオローネ | : | 西沢 央子 |
ヴァージナル/オルガン | : | 矢野 薫 |
チェンバロT/バロックハープ | : | 西山 まりえ |
チェンバロU/レガール | : | 呉 周喜 |
バロックギター/キタローネ | : | 高本 一郎 |
パーカッション | : | わだ みつひろ |
リコーダーT/ドルツィアン | : | 古橋 潤一 |
リゴーダーU | : | 細岡 ゆき |
コルネット | : | 細川 大介 |
サクバットT | : | 宮下 宣子 |
サクバットU/セルパン | : | 橋本 晋哉 |
感 想
お勉強-東京室内歌劇場「ラ・カリスト」を聴く。
東京室内歌劇場は、「古典と現代の対比」が、創立以来のテーマで、様々な作品を取り上げて来ました。バロックオペラの上演も積極的で、モンテヴェルディの諸作品や、カヴァリエーリやペーリの作品の上演もおこなってきました。以上の三人の作曲家は、オペラ創始期の作曲家として、音楽史上、その名をとどめる方々ですが、モンテヴェルディの後を継ぐ作曲家が、カヴァッリということになります。イタリアオペラ史の書物によれば、レシタティーヴォ、アリオーゾ、アリアの分化は、カヴァッリをもってその創始とするそうです。カヴァッリは、17世紀中盤のイタリア・バロックオペラの中心的人物と申し上げてよいのでしょう。
しかし、この音楽史的な位置づけはともかく、実際の上演は日本では全くなかったわけで、私は録音を含めて、完全に初めての聴取。それなりの面白さは感じましたが、耳慣れた18世紀、19世紀のオペラと比較すると、素直に楽しめる、と言う訳には行かないようです。17世紀のオペラとはこのように演奏するのだ、という提案が、濱田芳通からあり、その提案を、聴かせて頂いた、と言うのが正直なところです。
しかし、濱田の提示は、相当意欲的であったことは疑いありません。現代楽器に耳が慣れている聴き手にとって、古楽器だけで響かせる音は、随分変わった印象があります。
バロック後期から古典派にかけての古楽器については、ある程度の知識がありましたが、それ以前に使われていた楽器になると、自分の知識は全くいい加減だな、というように思いました。ヴィオラ・ダ・ガンバや、ヴィオローネについては、これまでも眼にしたことがありましたが、ヴァージナル(小型のチェンバロ)、レガール(ジャバラのふいごで空気を送り込んでリードを振るわせてならせる小型オルガン)、キタローネ(リュート族の撥弦楽器の一種)、ドルツィアン(ファゴットの前身)、コルネット(角笛系の金管楽器)、サクバット(トロンボーンの前身)、セルパン(蛇のような金管楽器で、チューバの前身)については、初めて眼にするものでした。そこから出てくる音は、ある意味トルコ的とでも申しましょうか、素朴ながらも一種独特の響きがあります。パーカッションは、太鼓のような張っている皮を叩いているのではなく、板をそのまま叩いているような、短い音が響きでした。
そういうところも含めて、全体的に、私の感じる西洋と言うよりは、エキゾチックな民族音楽的な響きが聴こえました。このような響きの中で、初期のヴェネツィアン・オペラが受容されていったのか、と思うと、楽しく感じました。
ちなみに、「カリスト」のお話は、ギリシャ神話の「大熊座、小熊座」の誕生のお話に基づくもの。伊藤隆浩の演出は、それをどこまで意識しているのか、という点でよく分かりませんでした。登場するのが、基本的に神々ですから、舞台装置が抽象的であるのはいいのですが、舞台を見ていても、登場人物の関係がなかなか頭に入ってこないのが難点です。白い舞台と、大きな白い幕と、多様な照明で、幻想的な雰囲気を出していましたが、「カリスト」のようななじみのない作品では、もう少し、具体的な分かりやすさを追求しても良いのではないかという気がしました。
歌手陣は、古楽系でよく見かける歌手たちと、東京室内歌劇場によく出演する方々の混成チームです。古楽系の松井亜希、上杉清仁、櫻田亮が魅力的で、やはり古楽に造詣の深い春日保人、根岸一郎も良い味を出していました。東京室内歌劇場系の歌手としては、田辺いずみが、感情をあらわにした激しい歌唱。主役のカリストを歌った澤村翔子は、これまで、オペレッタの舞台で演奏を聞いたことのある方ですが、今回の表現・歌唱は、オペレッタの表現とは全く違っていて、この方に、こんな歌い方が出来るとは、という点で、驚きでした。
以上、演奏の良しあしはよくわからないのですが、「17世紀半ばのオペラはこんな感じだったんだ」という雰囲気は味あわせていただきました。今回の演奏は、今日のバロック音楽演奏研究の最新の成果を取り入れているものだそうですが、しっかりとお勉強させていただいた気分です。
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鑑賞日:2010年12月12日
入場料:B席 6000円 2F2列35番
主催:東京オペラ・プロデュース
東京オペラ・プロデュース第86回定期公演
オペラ4幕 字幕付き原語(フランス語)上演 日本初演
アルファーノ作曲「シラノ・ド・ベルジュラック」(Cyrano de
Bergerac)
原作:エドモン・ロスタン、台本:アンリ・カーン
会場: 新国立劇場中劇場
スタッフ
指 揮
:
時任 康文
オーケストラ
:
東京オペラ・フィルハーモニック管弦楽団
合 唱
:
東京オペラ・プロデュース合唱団
合唱指揮
:
伊佐治 邦治/中橋 健太郎左衛門
演 出
:
馬場 紀雄
美 術
:
土屋 茂昭
衣 裳
:
清水 崇子
照 明
:
稲垣 良治
ヘアメイク
:
星野 安子
舞台監督
:
酒井 健
スーパーバイザー
:
八木 清市
出演
シラノ・ド・ベルジュラック | : | 内山 信吾 | |
ロクサーヌ | : | 大隅 智佳子 | |
クリスティアン | : | 三村 卓也 | |
ギーシュ伯爵 | : | 秋山 隆典 | |
カルボン | : | 村田 孝高 | |
ル・ブレ | : | 峰 茂樹 | |
ラグノー | : | 和田 ひでき | |
家政婦/修道女マルト | : | 和田 綾子 | |
リーズ/修道女 | : | 小西 美 | |
ヴァルヴェール/料理人 | : | 岡戸 淳 | |
リニエール/騎士 | : | 白井 和之 | |
モンフルリー | : | 八木 清市 |
鑑賞日:2010年12月18日
入場料:当日券 6000円 Q7番
主催:Earnest II E#ntertainment
D.O.C.G. & Academia
Presents
ジョヴァンニ・バッティスタ・ペルゴレージ 生誕300年記念公演
劇中音楽会(第一部)
オペラ2幕 字幕付き原語(イタリア語)上演
ペルゴレージ作曲「奥様女中」(La Serva
Padrona)(第二部)
台本:ジェンナーロ・アントニオ・フェデーリコ
会場: イタリア文化会館 アニエッリホール
スタッフ
指 揮
:
大浦 智弘(第二部のみ)
ピアノ
:
若杉 千晶
演 出
:
ダリオ・ポニッスィ
美 術
:
ダリオ・ポニッスィ
衣 裳
:
Hiroco Ponissi
照 明
:
天野 もも
ヘアメイク
:
長谷川 真也
舞台監督
:
岸本 伸子
出演
第一部 | ||||
マリア「カルデラ」 | : | 相羽 紗希 | ||
マリア「アリステア」 | : | 川原 慶子 | ||
マリア「アルマ」 | : | 小田切 一恵 | ||
マリア「エミレナ」 | : | 薮田 瑞穂 | ||
ペルゴレージ | : | ダリオ・ポニッスィ | ||
第一部で歌われた曲 | ||||
歌劇「誇り高き囚人」より | 序曲 | ピアノのみ | ||
歌劇「誇り高き囚人」より | 「三日にわたり、ニーナは」 | 相羽、小田切、薮田 | ||
オラトリオ「アキテーヌ公聖グリエルモの死と回心」より | 「もし貴方が私の心の奥を見ることが出来るのならば」 | ポニッスィ | ||
歌劇「誇り高き囚人」より | 「愛しい方よ、貴方のいないところでは」 | 相羽 | ||
歌劇「オリンピアーデ」より | 貴方は私から私を引き裂く | 川原 | ||
オラトリオ「アキテーヌ公聖グリエルモの死と回心」より | 「我が行く手に導きはない」 | 小田切 | ||
サルヴェ・レジーナ より | 「讃えよ、女王を」 | 小田切 | ||
サルヴェ・レジーナ より | 「私たちは貴方に叫ぶ」 | 川原 | ||
サルヴェ・レジーナ より | 「ああ、それゆえに」 | 薮田 | ||
サルヴェ・レジーナ より | 「そしてイエスは」 | 薮田 | ||
サルヴェ・レジーナ より | 「ああ、慈悲深い、信心深い方」 | 川原、小田切、薮田 | ||
歌劇「誇り高き囚人」より | 「私たちのお気に入りの岸が陽気なこだまで答える」 | 相羽、小田切、薮田、川原 | ||
第二部 | 奥様女中 | |||
セルビーナ | : | 高橋 薫子 | ||
ウベルト | : | 立花 敏弘 | ||
ヴェスポーネ(黙役) | : | ダリオ・ポニッスィ |
鑑賞日:2010年12月25日
入場料:B席 13965円 2F5列1番
主催:新国立劇場
協力:日本ワーグナー協会
オペラ3幕 字幕付き原語(ドイツ語)上演
ワーグナー作曲「トリスタンとイゾルデ」(Tristan und
Isolde)
台本:リヒャルト・ワーグナー
会場: 新国立劇場オペラ劇場
スタッフ
指 揮
:
大野 和士
オーケストラ
:
東京フィルハーモニー交響楽団
合 唱
:
新国立劇場合唱団
合唱指揮
:
三澤 洋史
演 出
:
デイヴィッド・マクヴィカー
美術・衣裳
:
ロバート・ジョーンズ
照 明
:
ポール・コンサタンブル
振 付
:
アンドリュー・ジョージ
指揮補
:
ペーター・トメック
音楽ヘッドコーチ
:
石坂 宏
舞台監督
:
大澤 裕
出演
トリスタン | : | ステファン・グールド |
マルケ王 | : | ギド・イェンティンス |
イゾルデ | : | イレーネ・テオリン |
クルヴェナール | : | ユッカ・ラジライネン |
メロート | : | 星野 淳 |
ブランゲーネ | : | エレナ・ツィトコーワ |
牧童 | : | 望月 哲也 |
舵取り | : | 成田 博之 |
若い船乗りの声 | : | 吉田 浩之 |
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