どくたーTのオペラベスト3 2017

第1位  3月18日 新国立劇場公演
ドニゼッティ作曲「ランメルモールのルチア」
日本語字幕付イタリア語上演 会場 新国立劇場オペラパレス

第2位 4月29日 藤原歌劇団公演

ロッシーニ作曲「セビリャの理髪師」
日本語字幕付イタリア語上演 会場 
テアトロ・ジーリオ・ショウワ

第3位  6月10日 新国立劇場公演
ワーグナー作曲「ジークフリート」
日本語字幕付ドイツ語上演 会場 新国立劇場オペラハウス

ベスト歌手
沢崎 恵美(ソプラノ)

優秀賞 
原加壽子作曲「よさこい節」
(日本オペラ協会公演 新国立劇場中劇場、3/5)
モーツァルト作曲「フィガロの結婚」(新国立劇場公演、新国立劇場オペラパレス、4/23)
オッフェンバック作曲「ラインの妖精」東京オペラプロデュース公演、新国立劇場中劇場、5/28)

ヴェルディ作曲「椿姫」(シゲキ宮松歌劇団旗揚げ公演、セシオン杉並ホール、7/15)
伊藤康英作曲「ミスター・シンデレラ」日本オペラ協会公演、
新国立劇場小ホール、10/14)
ドヴォルザーク作曲「ルサルカ」NISSAY OPERA 2017公演、日生劇場、11/11)
ドニゼッティ作曲「ビバ・ラ・マンマ」東京オペラプロデュース公演、新国立劇場中劇場、11/12)

(優秀賞は上演順)

特別賞
該当なし

選考理由

  2017年に私が観劇したオペラ上演は40回40本、昨年並みです。例年のごとく、諸事情で行きたかったのに行かれなかった公演も多かったのですが、市民オペラ、大学オペラ、東京二期会、藤原歌劇団、新国立劇場の本公演までさまざまな公演に伺いました。

 全体的な感想を申し上げれば、2017年も平均的には頑張っていた言うところだと思います。もちろんよろしくない公演もすくなからずあり、とにかく、オペラは行って実演を聴かなければ分からないな、というのが今年も再認識いたしました。一応上記をベスト10といたしますが、このほかにも新国立劇場「カルメン」、「神々の黄昏」、東京二期会「蝶々夫人」、日生オペラ「ラ・ボエーム」などが印象的でした。

 新国立劇場の好調は一昨年、昨年ほどではなかったのかな、というのが正直なところ。それでも、素敵な上演はいくつもありました。「カルメン」、「ルチア」、「フィガロの結婚」、「ジークフリート」、「神々の黄昏」などです。日本の団体は東京二期会、藤原歌劇団ともいまいちかなという感じでした。一方で、第100回の公演に至った東京オペラ・プロデュースが気を吐いたのが嬉しいです。また日本オペラ協会も郡愛子新音楽監督のもと、新機軸も打ち出し頑張りました。

 選択した優秀公演を簡単に総括します。

 日本オペラ協会「よさこい節」。25年ぶりの再演で私は初聴でしたが、素敵な作品だと思いました。田中佑子の指揮、沢崎恵美のお馬、小山陽二郎の慶全の歌がよく、脇役陣もしっかりしていて、楽しめました。
 新国立劇場の「フィガロ」はアンサンブルが見事で素晴らしい。外人の歌手は個性の強い方が多く、アンサンブルを平気で壊す方も少なくありませんが、中村恵理のスザンナがしっかりとまとめ役になっていて、まとまりの良い演奏でした。
 東京オペラ・プロデュース第100回公演はオッフェンバックの「ラインの妖精」を取り上げました。この団体の100回目の公演で、成功裏に終わったこと、喜びたいと思います。
 シゲキ宮松歌劇団「椿姫」は、ヴィオレッタもアルフレードもジェルモンも似合わないだろうなと思って聴きに行ったのですが、実際はそんなことはなくて、大変素敵な演奏でした。会場がもっと良い処だったらと、それだけが惜しまれます。
 日本オペラ協会「ミスター・シンデレラ」。新機軸の室内オペラシリーズ第1弾でしたが、たいへん楽しめる演奏で、ベスト10には欠かせません。
 ドヴォルザークのルサルカ。指揮者の山田和樹の魅力をしっかり見せてくれた演奏。山田は2月に藤原歌劇団「カルメン」が全然よくなかったので、その雪辱を果たしたという処でしょう。
 東京オペラ・プロデュース「ビバ・ラ・マンマ」。たいへん楽しいオペラでした。主役のマンマ・アガタを歌った押川浩士のノリノリな歌唱がたいへん楽しかったです。

 演奏会形式で素晴らしい演奏を紹介する特別賞は、本年はなしといたします。

 さて、どくたーTの選ぶ今年のベスト3ですが、「ビバ・ラ・マンマ」とどちらにしようかかなり迷ったのですが、第3位は新国立劇場「ジークフリート」にします。フィンランド国立歌劇場からレンタルされたゲッツ・フリードリヒの舞台による「指環」は、多分、ワルキューレが一番良かったのだろうと思いますが、「ジークフリート」も歌の力という観点では十分魅力的でした。外題役のステファン・グールドは第三幕になっても全然余裕を失うことがない歌で、底力を見せつけてくれました。そのほかの歌手も粒揃いで歌手に関して申し上げれば最高レベルと言っても過言でないと思います。これで、東京交響楽団がスタミナを保ってくれればよかったのですが、そうならなかったのが三位にした理由です。

 第二位は藤原歌劇団の「セビリャ」。本年の国内団体のパフォーマンスではこれが最高だったと思います。昨年の新国立劇場のセビリアと比べるとアルマヴィーヴァ伯爵には差がありましたが、他のメンバーは甲乙つけがたいと申し上げてよいのではないでしょうか。ことにロジーナを歌われた脇園彩が大変すばらしく、感心いたしました。

 第一位は新国立劇場「ルチア」です。3月に聴いたとき、今年の1位はこれで決まりかな、と直感的に思ったのですが、結局これを上回るパフォーマンスは本年聴くことはありませんでした。オルガ・ペレチャッコのルチアが抜群に素晴らしく、エンリーコ役のルチンスキーも大変すばらしい歌唱で、演出やオーケストラの伴奏も納得できるもので、ベルカントオペラ好きにはたまらない舞台でした。

 ベスト歌手ですが、いろいろ考えたのですが、今回は日本オペラ協会公演が二本ともベスト10に入っていて、どちらも主演は沢崎恵美でした。沢崎に関してはこれまでも何度も日本オペラで主演を演じているのを聴いておりますが、いつも立派な歌だったな、と思いました。であれば、沢崎を今年のベスト歌手に選ぶのがよいのではないか、と思いました。

 2017年のオペラ公演におけるどくたーT的ベストは以上のとおりです。尚、例年の如く本選考に賞品はありません。選ばれた方・上演には、「おめでとうございます」を申し上げます。

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