NHK交響楽団定期演奏会を聴いての拙い感想-2019年(前)

目次

2019年01月11日 第1903回定期演奏会 ステファヌ・ドゥネーヴ指揮
2019年01月26日 第1905回定期演奏会 トゥガン・ソヒエフ指揮
2019年02月09日 第1906回定期演奏会 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
2019年02月15日 第1907回定期演奏会 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
2019年04月13日 第1909回定期演奏会 ヤクブ・フルシャ指揮
2019年04月19日 第1910回定期演奏会 山田 和樹指揮
2019年05月11日 第1912回定期演奏会 エド・デ・ワールト指揮
2019年05月18日 第1913回定期演奏会 ネーメ・ヤルヴィ指揮
2019年06月08日 第1915回定期演奏会 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
2019年06月14日 第1916回定期演奏会 パーヴォ・ヤルヴィ指揮

2019年ベスト3
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2018年ベスト3
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2019年01月11日 第1903回定期演奏会
指揮:ステファヌ・ドゥネーヴ

曲目: セル バレエ組曲「バッカスとアリアーヌ」第2番
  サン・サーンス チェロ協奏曲第1番 イ短調 作品33
      チェロ独奏:ゴーディエ・カプソン
  ベルリオーズ   序曲「ローマの謝肉祭」作品9
  レスピーギ   交響詩「ローマの松」

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:中村(洋)、チェロ:藤森、ベース:市川、フルート:客演
東京フィルの神田勇哉さん)、オーボエ:青山、クラリネット:松本、ファゴット:宇賀神、ホルン:福川、トランペット:長谷川、コルネット:井川、トロンボーン:新田、テューバ:池田、ティンパニ:客演(読売日響の武藤厚志さん)、ハープ:早川ピアノ:客演(フリー奏者の梅田朋子さん)、チェレスタ:客演(フリー奏者の楠本由紀さん)、オルガン:客演(フリー奏者の新山恵理さん)

弦の構成:協奏曲:12型、その他:16型

感想

 2019年最初のNHK交響楽団の定期演奏会は、ステファヌ・ドゥネーヴによるフランス音楽中心の華やかなプログラムでスタートしました。

 ドゥネーヴが前回N響に客演したのは2015年6月で、その時はオール・フランス物でプログラムを組んだのですが、彼の野心というか、あざとさが演奏に現れていて、私はあまり評価しませんでした。今回は、前回よりも華やかな曲が多く、また、ドゥネーヴ自身も3年半経って成長したのか、そういうあざとい感じはあまり感じられませんでした。

 最初の「バッカスとアリアーヌ」。前回聴いたのは、シャルル・デュトワの指揮で2002年のことですから16年半ぶりです。なかなか切れ味の良い演奏で、こういう作品を聴くと、N響はデュトワに鍛えられたんだな、と改めて思いました。独奏楽器の立ち上がってくる雰囲気がいいんです。この感覚ってフランス音楽に独特なところがあって、特にルーセルはドビュッシーの後継者のような作曲家ですから、その何とも言えないアンニュイな雰囲気がたまらないところがあります。松本さんのクラリネットソロが素晴らしく、その感じを上手に表現していたと思いました。また、ヴァイオリンソロとヴィオラソロの掛け合いもよかったと思います。

 二曲目のサン・サーンスのチェロ協奏曲。全体が華やかな演奏会の中で、この曲だけがしっとりと落ち着いた曲。それだけにどう演奏するのかが問われる曲だったと思います。カプソンはこの曲を丁寧に繊細に演奏しました。こういう演奏を聴くと、サン・サーンスが「フランスのモーツァルト」と言われたのも納得できます。しかしながら、カプソンの演奏は弱いと思いました。言ってみれば、谷間に咲く手折れされそうな美しい花のような演奏です。綺麗なんだけど、迫力に欠ける。他の曲が典型的鳴らす曲ばかりですから、優しく演奏するにしてももう少しケレンを入れていかないとせっかくの美音が死んでしまうような気がしました。

 後半はローマつながり。

 ベルリオーズの「ローマの謝肉祭」はフランス音楽からイタリア音楽への橋渡しと、「ローマの松」への導入としておかれたのでしょうね。悪い演奏ではありませんが、N響としては取り立てて言うべきことのない演奏だったと思います。

 最後の「ローマの松」は多分今回の演奏会の白眉。四つの松がきっちり描き分けられていて、その点でよかったのかなと思います。こういう華やかな曲はN響は上手に演奏します。「ボルケーゼの松」の輝かしくもユーモラスな響き、「カタコンブの松」のちょっと不気味な響き、「ジャニコロの松」の幻想的で優雅な響き、さそして、最後の「アッピア街道の松」における激しく勇壮な響き。それぞれの特徴が各奏者の技術に支えられて華やかに響いていました。

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2019年01月26日 第1905回定期演奏会
指揮:トゥガン・ソヒエフ

曲目: リャードフ 交響詩「バーバ・ヤガー」作品56
  グリエール ハープ協奏曲 変ホ長調 作品74
      ハープ独奏:グザヴィエ・ドゥ・メストレ
  ベルリオーズ   交響曲「イタリアのハロルド」作品16
      ヴィオラ独奏:佐々木亮

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:篠崎、2ndヴァイオリン:田中、ヴィオラ:中村(翔)、チェロ:藤森、ベース:西山、フルート:
甲斐、オーボエ:青山、クラリネット:伊藤、ファゴット:宇賀神、ホルン:今井、トランペット:長谷川、コルネット:井川、トロンボーン:古賀、テューバ:池田、ティンパニ:久保、ハープ:客演(フリー奏者の有馬律子さん)

弦の構成:協奏曲:14型(14-11-10-8-6)、その他:16型(16-13-12-10-8)

感想

 最近よくN響に来演するソヒエフですが、今回はかなり渋いプログラムで登場しました。ちなみに私は今回の三曲のうち、リャードフとグリエールは今回が全く初めて聴く曲でしたし、「イタリアのハロルド」も実演で聴くのは初めてです。リャードフとグリエールの二曲はおそらくN響初演でしょう。

 全く初めての曲ばかりなので、単なる印象論しかできませんが、三曲とも面白い曲ではありました。

 リャードフの「バーバ・ヤーガー」はほんの三分ほどで終わってしまう小品ですが、三管編成のオーケストラが咆哮するにぎにぎしい曲。ここからどう盛り上がっていくのかな、と思ったとたんあっけなく終了して、何だったんだ、今の曲は、みたいな感じですが、こういうにぎにぎしい華やかな曲はN響、上手いです。楽しみました。

 グリエールのハープ協奏曲。ハープの独奏者メストレは元ウィーンフィルのハープ奏者だそうで、男性です。ハープは女性の楽器という印象が強くて、男性がハープを演奏するのを見たのは初めての経験です。それだけにどんな演奏をするのか、興味がありました。結果としてメストレは多彩な演奏をしたと申し上げられると思います。グリエールのハープ協奏曲はハープの繊細な技巧を駆使する側面と、ロシアの国民楽派的なちょっと土臭い響きを兼ね備えた曲で、その両方を的確に表現するのは大変だろうなと思います。

 メストレはそれをやってのけたように思いました。いろいろな音色を使い分け、ダイナミクスもフォルテシモの結構強い音から消えそうな弱音まで駆使していました。こういった広がりは男性奏者ならではなのかも知れないな、と思いました。N響のフォローも上手だったと思います。ハープと管楽器との間の音の受け渡しがいずれもスムーズで、その自然な感じが見事だったと思います。

 「イタリアのハロルド」。有名な曲ですが、オーケストラの演奏会では思ったほど取り上げられないようです。N響定期で取り上げられたのはおよそ20年ぶりです。

 独奏ヴィオラはN響ヴィオラ首席奏者の佐々木亮。佐々木さんのヴィオラは独奏者のヴィオラというよりはオケマンのヴィオラであると思いました。N響の音との一体感が自然と出てきます。「イタリアのハロルド」は、交響曲と言うものの、本質はヴィオラ協奏曲ですから、ヴィオラがもっと目立ってよいのだと思いますが、このヴィオラが見え隠れする感じが私はいいのではないかと思いました。演奏の出来はまあ、良かったのでしょうね。この曲を聴いたのがいつのことか忘れるぐらい昔なので、珍しさが先に立ってしまいました。

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2019年02月09日 第1906回定期演奏会
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

曲目: R・シュトラウス ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品8
      ヴァイオリン独奏:アリョーナ・バーエワ
  ハンス・ロット   交響曲第1番 ホ長調

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:客演(フリー奏者の白井圭さん)、2ndヴァイオリン:白井、ヴィオラ:川本、チェロ:桑田、ベース:市川、フルート:神田、オーボエ:青山、クラリネット:客演(群馬交響楽団の野田裕介さん)、ファゴット:水谷、ホルン:福川、トランペット:長谷川、トロンボーン:新田、ティンパニ:植松

弦の構成:協奏曲:14型、交響曲:16型

感想

 首席指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ、また珍しい曲2曲でプログラムを組んできました。

 リヒャルト・シュトラウスの協奏曲が演奏されること自体珍しいのですが、それでもオーボエ協奏曲やホルン協奏曲であれば希に耳にします。ヴァイオリン協奏曲は作曲されていることは知っていましたが、私はこれまで聴いたことがありません。今回が初めての聴取です。

 若さの気負いを感じさせる作品でした。その後多くの交響詩で管弦楽法の究極を見せたシュトラウスですが、この作品はそこまで冒険しているというイメージはありませんでした。しかし、メロディーラインの美しさは将来オペラ作曲家や歌曲の作曲家として一世を風靡する作曲家の片鱗を見せていると思いました。特に美しいのが第二楽章。ソリストのバーエワはこの歌謡性の豊かな曲をしっかり歌わせて演奏していたと思いました。ただ、第三楽章のプレストは、速い楽章ですから仕方がないのかもしれませんが、やや弾き急いでいる印象がありました。N響については特に申し上げることはありません。こんな珍しい曲でもしっかり演奏しているな、という印象です。

 二曲目はハンス・ロットの交響曲第1番。ロットという作曲家、このプログラムが発表されるまで全く名前も存じませんでした。Wikipediaで調べてみると、この交響曲1番の日本初演は2004年に済んでいるんですね(沼尻竜典指揮、日本フィルハーモニー交響楽団)。不明を恥じるところですが、もちろん初聴です。

 歌謡性の極めて強い作品でした。ブルックナーの弟子でマーラーの先駆者という位置づけだそうですが、その二人をつなぐと言われると、なるほどね、と思う部分と、マーラー以上に歌謡性を感じるよね、と思う部分があります。曲は全体で50分ほどの作品ですが、第一楽章と第二楽章は割とあっさりしている印象で合計15分ほど。ところが第三楽章のスケルツォは思いのほか長く20分強あったのではないでしょうか。ただこの部分が作品の歌謡性の中心部分でもあり、長いとは全然感じませんでした。第四楽章にはブラームスの交響曲1番の第4楽章を彷彿させるメロディーが出てきます。金管のファンファーレ的な部分が随所で聴かれ、聴いていて面白い作品でした。パーヴォ自身は歌謡性の強い曲に特に才能を発揮する方ですから、こういう作品にはまさにうってつけの指揮者です。管楽器の首席奏者たちにはそれぞれソロがあり、皆さん見事に演奏していました。ちなみに楽譜上はホルンが4本、トランペット3本の作品だそうですが、今回はホルン4人に全て補助奏者が入って8人、トランペットも1番と2番に補助奏者が入って5人で演奏し、華やかさがより強調されていました。

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2019年02月15日 第1907回定期演奏会
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

曲目: ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18
      ピアノ独奏:アレキサンダー・ガウリリュク
  プロコフィエフ   交響曲第6番 変ホ短調 作品111

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:篠崎、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:佐々木、チェロ:藤森、ベース:吉田、フルート:甲斐、オーボエ:茂木、クラリネット:松本、ファゴット:宇賀神、ホルン:福川、トランペット:長谷川、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:久保、ハープ:早川、ピアノ/チェレスタ:
客演(フリー奏者の梅田朋子さん)

弦の構成:協奏曲:14型、交響曲:16型

感想

 この頃凝ったプログラムを聴く機会が多かったので、ちょっとひねったプログラムなのに、普通に思えてしまうのが不思議です。

 ラフマニノフのピアノ協奏曲2番。最も有名なピアノ協奏曲の一曲。自分自身もクラシック音楽を聴き始めた当初から何度となく聴いてきました。相当な難曲として有名ですが、活躍しているピアニストにとっては基本的なレパートリーの一曲なのでしょうね。当初アナウンスされていたカティア・ブニアティシヴィリが来日できなくなって、急遽アレキサンダー・ガウリリュクに変更になりました。ガウリリュクはこれまで二度聴いていますが、どちらもプロコフィエフ。最初に二番を聴いたときはなかなかなピアニストだと思いましたが、次に三番を聴いたときは、さほど良いとは思わなかった記憶があります。今回のラフマニノフは、今一つ面白くない演奏でした。

 ある意味特徴的なピアノでしたが、それが面白いかと問われれば、そうでもなかったのかなと思います。流麗なピアノでしたし、もちろんピアニストの主張はあったと思いますが、それがストレートにこちらに伝わってこない感じです。この曲の演奏の方向性としては、アメリカの感じるロシアン・エキゾチズムを強調する甘い演奏と、ロシアの厳しさを強調するような土臭い演奏の方向性があると思います。ガウリリュクは後者を狙っていたと思うのですが、それがオーケストラとの関係性なのかもしれませんが、結構中途半端なところで終わってしまって、所々ハッとするところはあるものの全体としては徹底しなかったのかな、という風に思いました。

 プロコフィエフの交響曲6番。演奏終了後、ブーとブラヴォの両方が飛び、賛否のある演奏だったと思いますが、私は良かったのではないかと思います。結構内省的内容の作品ですが、パーヴォの特徴として、そう言う作品であっても無駄に深刻に演奏しないというところがあると思います。私はそれが彼の良さだと思いますので、いいのかな、と感じました。第二楽章はラルゴの緩徐楽章ですが、中間部にはスケルツォ的な部分もあり、全体的には歌謡性の高い楽章です。そこの演奏が、実に歌心があってよかったです。

 最後の楽章のプレスト、そこはN響の名手たちの名人芸、颯爽たる演奏で、大パウゼまでなだれ込み、一瞬の静寂の後、見事にフィナーレを飾りました。

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2019年04月13日 第1909回定期演奏会
指揮:ヤクブ・フルシャ

 
曲目: リヒャルト・シュトラウス 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30
  ベルリオーズ 叙情的情景「クレオパトラの死」
      ソプラノ独唱:ヴェロニク・ジャンス
  ヤナーチェク   シンフォニエッタ

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:キュッヒル、2ndヴァイオリン:大宮、ヴィオラ:川本、チェロ:桑田、ベース:吉田、フルート:甲斐、オーボエ:青山、クラリネット:松本、ファゴット:水谷、ホルン:福川、トランペット:長谷川、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:植松、ハープ:早川、オルガン:
客演(東京芸術劇場オルガニストの新山恵理さん)

弦の構成:ベルリオーズ:12型、その他:16型

感想

 4月になり新年度、N響にもいろいろ変化がありました。大きいのはオーボエ首席奏者の茂木大輔さんと、クラリネット奏者の加藤明久さん(主にバス・クラリネット担当)の退団、第一ヴァイオリン次席奏者・大宮臨太郎さんの第二ヴァイオリン首席代行への異動と、第二ヴァイオリン奏者・横島礼理さんの第一バイオリン次席代行奏者への異動でしょう。また、2013年第82回日本音楽コンクール第1位のオーボエ奏者、吉村結実さんが入団されました。

 しかし、それ以上に大きなニュースはNHKホールの大改修工事かもしれません。NHKホールは開館50周年に合わせ大改修工事を行うそうで、2021年3月から翌2022年6月にかけて休館するそうです。NHKホールの前回の大改修は2008年に行われています。この時の工事で、座席数が3,742から3,601に減少し、定期会員として確保してある私の席も若干移動しました。この時の改修でもエントランス及び外壁の補修、照明・吊り装置等舞台制作設備の更新、客席椅子全交換などが行われたそうですが、前回の改修は6月から9月にかけて行われ、N響の定期公演に影響はほとんど与えなかったようですが、次回は16か月に及ぶ休館ですから、定期公演はどうするのでしょうね。実は東京近辺にはNHKホールと席数が同等のクラシック音楽向けホールはありません。東京国際フォーラムのホールAは5000席以上の大ホールですが、ちょっと大きすぎるし、次の規模だと東京ドームシティホール(約3200席)が考えられますが、クラシックの演奏会が行われた実績はないと思います。

 それはさておき、今回の演奏会ですが、最近若手指揮者のホープとして世界的なビッグネームになりつつあるフルシャが登場しました。2010年から東京都交響楽団の首席客演指揮者をされており、日本ではおなじみの指揮者ですが、私は初めて聴く方です。

 演奏を聴いて思った感想は、人気の指揮者だけのことはあるな、ということでした。N響と初共演ですが、オーケストラの掌握の仕方が巧いというのか、スマートな煽り方をしているな、と思いました。

 最初に演奏された「ツァラトゥストラ」ですが、この曲を私自身はシュトラウスの交響詩の中では出来の良くない作品だと思っています。演奏が難しい割には演奏効果が上がりにくい曲でもあります。演奏には、オーケストラの編成が4管でほぼ100人の方が必要とされる上に、各パートのソロやヴァイオリンのトゥッティによる分奏も多く、まとまりにくい曲であります。そんな曲を初共演のしょっぱなに持ってくるのですから、自信があったのでしょうね。

 今回のコンサート・マスターはライナー・キュッヒルさんでしたが、この曲のソロを演奏するためにわざわざ呼ばれたのかもしれません。さすがのソロでした。その他の管楽器、弦楽器ともに細かいミスはありましたが、キュッヒルさんの助けもあったのでしょう、結果としては、かなりまとまった演奏に仕上がっていたと思います。

 二曲目のベルリオーズ。ソプラノのヴェロニク・ジャンスが聴かせてくれました。フランス人ということが関係しているのでしょうが、テキストをよく読んで、表情多彩に演奏していると思いました。声に力があり、盛り上げるところのドラマチックなところが素晴らしいと思いました。

 シンフォニエッタ。フルシャにとってはお国ものの演奏。しかし、ヤナーチェクの目指しているところが必ずしも民族主義的ではないことも関係していると思いますが、そういう土着性のようなものはあまり感じさせない演奏だったと思います。最初のツァラトゥストラは割と抑制的なコントロールをしていたと思いますが、こちらは開放的なコントロール。曲によって演奏のやり方を変えるのは当然ですが、初共演のオーケストラとの同じプログラムの中で、違いを見せるところ、俊英の俊英たるところなのでしょう。

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2019年04月19日 第1910日回定期演奏会
指揮:山田 和樹

 
曲目: 平尾 貴四男 交響詩曲「砧」(1942)
矢代 秋雄 ピアノ協奏曲(1967)
      ピアノ独奏:河村 尚子
  シェーンベルく   交響詩「ペレアスとメリザンド」作品5

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:佐々木、チェロ:藤森、ベース:市川、フルート:神田、オーボエ:吉村、クラリネット:松本、ファゴット:水谷、ホルン:今井、トランペット:長谷川、トロンボーン:古賀、チューバ:池田、ティンパニ:久保、ハープ:客演(フリー奏者の高野麗音さん)、チェレスタ:
客演(フリー奏者の梅田朋子さん)

弦の構成:協奏曲:14型、その他:16型

感想

 N響の定期演奏会で、日本人作曲家の作品が取り上げられるのは、武満徹を別にするとあまり多くありません。今回は、その日本の作曲家の作品が二曲取り上げられるということでかなり稀有な例です。もちろんどちらの曲も自分としては初めて耳する曲でした。

 平尾貴四男という名は聞いたことはありますが、その作品は全く知りません。調べると、室内楽やピアノソナタに傑作を残しているようですが、管弦楽曲は数曲しか作曲していないようで、「砧」が最後の大規模管弦楽曲だったようです。作品の印象はドビュッシーのような土台の上に、日本臭さをしっかり乗せた作品と申しあげてよいと思います。どこか歌謡曲的な感じもしました。日本の歌謡曲の最盛期は1970年代だと思うのですが、そのころの歌謡曲の和声を30年前に管弦楽曲で達成した感じ、と申し上げたらよろしいのでしょうか。とにかく面白く聴きました。

 二曲目の矢代秋雄のピアノ協奏曲もとても面白い作品。こちらの作品は、戦後の日本で作曲されたピアノ協奏曲の中で一番の傑作とも言われているそうですが、自分では初耳の作品。とにかくピアノパートが難しそうです。ソリストの河村尚子は多分本来の楽譜を自分で弾きやすいように切り貼りして持ち込んでいました。モダニズムの作品で、プロコフィエフを彷彿とさせるところがあるし、打楽器的な打鍵をするところも、難しいアルペジオもあって、華やかさと激しさ、それでいて京都の寺院の静けさのような雰囲気もあって、その日本的な雰囲気も良かったと思います。初演は中村紘子によって行われたそうですが、曲の感じがバリバリ弾く彼女の演奏のやり方に凄くあっている感じがしました。河村は中村を彷彿させるようなバリバリの演奏で見事でした。

 よく、チェコの指揮者が「我が祖国」を演奏したり、ロシアの指揮者がチャイコフスキーを演奏すると、「お国ものの良さ」みたいなことを言われるわけですけど、今回の山田和樹とN響は作曲家のお国の演奏家なのだな、と思って聴きました。音楽には本来国境はないのですが、やはり作曲家が作曲した背景や時代を一番わかるのは同郷の人であって、そう言った背景のようなものを感じて演奏しているように思いました。山田和樹は東京混声合唱団の指揮者も務めて、日本人の合唱作品もたくさん指揮している訳ですが、その延長にあるような歌謡性を感じさせる演奏でした。どちらの曲も素敵だったと思います。

 三曲目の「ペレアスとメリザンド」前の二曲と比べると、やはり、お国の音楽じゃないな、という印象。細かいミスはあったものの、すぐ修正してしっかりまとまっていくのは指揮者の技量なのか、N響の技量なのか、と思わせるなかなか立派な演奏でしたが、作品の味わいの点で前の二曲ほどの深さを感じさせるものではありませんでした。山田の棒は分かりやすくて、音楽としても整理されていたと思いますが、その分かっちりとまとまりすぎたのかもしれません。

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2019年05月11日 第1912日回定期演奏会
指揮:エド・デ・ワールト

 
曲目: ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73「皇帝」
      ピアノ独奏:ロナルド・ブラウティハム
  ジョン・アダムス   ハルモニーレーレ(1985)

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:川本、チェロ:藤森、ベース:市川、フルート:甲斐、オーボエ:吉村、クラリネット:伊藤、ファゴット:宇賀神、ホルン:福川、トランペット:長谷川、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:久保、ハープ:早川、ピアノ:客演(フリー奏者の梅田朋子さん)、チェレスタ:客演(フリー奏者の楠本由紀さん)

弦の構成:協奏曲:12型、その他:16型

感想

 「皇帝」は、よく言えば中庸な、悪く言えばどっちつかずの演奏だったと思います。

 ブラウディハムはフォルテピアノの名手として名を上げ、その後現代ピアノでも精力的な演奏活動をしている方だそうです。今回はスタンウェイのコンサートグランドを使用した演奏。スタンウェイを演奏してもフォルテピアノを意識した演奏をするのかと思えば、あんまりそんな感じではなく、と言って、この曲野持つ壮大さのようなものを積極的に表現しようとした演奏でもなかったのかな、という印象です。弱音のタッチが見事で、非常に立派な演奏であったことは間違いないのですが、個人的な好みを言えば、もっと雄大に盛り上げてくれてもよかったのかな、と思います。デ・ワールトとN響の伴奏も比較的抑えめの演奏で、そこもあって、曲としてもパワーがあまり感じられなかったのかもしれません。

 後半の「ハルモニーレーレ」。こちらはとても面白い曲。

 基本ミニマル音楽ですけど、ミニマルをこの規模の大管弦楽曲に仕上げたアダムスの力量にまず感心。多分スコアは非常に精緻に書かれていて、弦の分奏も多く、ずれるとボロボロになるという系統の曲だと思いますが、そこはN響、かっちりと組み合わせて見せました。エド・テ・ワールトはこの作品の初演者でもあり、曲への思い入れもあって、今回プログラムに取り上げたのでしょうが、彼自身、会心の演奏だったようです。私自身にもとても楽しめる演奏でした。

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2019年05月18日 第1913日回定期演奏会
指揮:ネーメ・ヤルヴィ

   
曲目: シベリウス アンダンテ・フェスティーヴォ
  トゥビン   交響曲 第5番 ロ短調(1946)
  ブラームス   交響曲 第4番 ホ短調 作品98

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:大宮、ヴィオラ:佐々木、チェロ:桑田、ベース:吉田、フルート:神田、オーボエ:青山、クラリネット:松本、ファゴット:水谷、ホルン:今井、トランペット:菊本、トロンボーン:古賀、チューバ:池田、ティンパニ:久保

弦の構成:16型

感想

 本日のプログラム、シベリウスとトゥビンは滅多に演奏されない曲。それに対して、ブラームスの第4番は、オーケストラの王道とも申し上げられる曲です。

 そのブラ4、ネーメのこだわりがはっきり示された演奏でした。まず、異常に速い。それも全体的にスピードが速い演奏というより、フェルマータをみんな抜いてしまったような演奏です。演奏時間は、正味35分というところでしょう。結果として、速い演奏というより、せわしない演奏に聴こえてしまいました。また、弦楽器のボウイングなども通常とは違うようで、スタッカート的というか、アクセントを強調しているというか、ロマン派の音楽を普通はこう演奏しないだろうな、というような演奏でした。バロック音楽をオーセンティック楽器で演奏しているような雰囲気と近かったかもしれません。

 私は、前に進むてきぱきとした音楽を個人的には好む人間ですが、いくら何でもやりすぎです。全然落ち着きません。緩徐楽章も全然ゆったり感がないですし、第4楽章もなんか弾き飛ばしているように聴こえます。そのような感じで一貫すればいいのですが、普通、あまり遅くしないようなところで、遅くして見せるところもあり、どうして、そのような演奏をするのかが全然理解できませんでした。そのようなへんてこな指揮者の指示に対して、N響はしっかり対応してみせるのですから、オーケストラの力量はさすがなのでしょう。しかし、音色はN響としては全然綺麗ではありませんでした。これは、普段より速いので、音が揃いにくいということはあったのだろうと思いますが、それ以上にヤルヴィの指示に対する個々の演奏者の意識も様々だったということかもしれません。もちろん音楽として、私は支持しません。

 シベリウスとトゥビンは、私は初聴の曲でした。

 シベリウスは、N響弦楽陣の力量をしっかり示すもの、後から演奏したブラームスの4番とは全然違っていて、雄大さを感じさせる素晴らしい演奏だったと思います。

 トゥビンは、エストニア生まれの作曲家だそうですが、ソ連が第二次世界大戦中にエストニアを占領したとき、スウェーデンに移住して、作曲活動をつづけた方だそうです。しかし、曲を聴いた印象は、どこか、ショスタコーヴィチを思い出すような作風です。2台のティンパニが先導する感じで、金管の咆哮が絡むところが、この曲の特徴なのでしょうが、その感じが、ショスタコ的というべきか。もちろん三楽章構成ですし、緩徐楽章は、不安よりは美しさを感じさせるものですから、ショスタコーヴィチとも違った雰囲気もあります。

 演奏に対する印象は、さすがN響というところ。今回初めて楽譜を見たという団員も多いと思いますが、きっちりまとめてくるところ。さすがです。久保さんと石川さんの二台のティンパニとそれに先導されるようにガンガン吹く金管楽器が印象的でした。

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2019年06月08日 第1915回定期演奏会
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

曲目: マーラー 「こどもの不思議な角笛」から7曲
      バリトン独唱:マティアス・ゲルネ
  ニルセン   交響曲第二番 ロ短調 作品16「四つの気質」

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:篠崎、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:客演(ベルリン・フィルのマテ・スーチェさん)、チェロ:客演(東京交響楽団の伊藤文嗣さん)、ベース:吉田、フルート:神田、オーボエ:青山、クラリネット:伊藤、ファゴット:水谷、ホルン:福川、トランペット:菊本、トロンボーン:古賀、チューバ:池田、ティンパニ:植松、ハープ:早川

弦の構成:歌曲:14型、交響曲:16型

感想

 NHKホールは、音響に秀でたホールではありませんが、オーケストラを聴く点において、特別問題のあるホールではありません。しかし、歌曲を聴くのはちょっとしんどい。何と言っても広すぎます。特にピアノやピアニシモを綺麗に響かせるのは至難の業です。その至難の業をやって見せたのが、マティアス・ゲルネ。ドイツ・リートの第一人者ではありますが、その実力を惜しみなく聴かせてくれた、というところです。

 オーケストラ伴奏つきの曲集には、14曲の作品が収載されているわけですが、今回は半分の7曲を、歌手自身の選択で歌われたそうです。歌われた7曲は、「ラインの伝説」、「トランペットが美しく鳴り響くところ」、「浮世の生活」、「原光」、「魚に説教するパドヴァの聖アントニオ」、「死んだ鼓手」、「少年鼓手」でした。私はドイツ語がほとんど分かりませんので、詩の世界をどのように表現したか、という点に関しては何も申し上げられないのですが、弱音を丁寧に歌うことを基本にしているのだな、ということは分かりました。

 ゲルネの弱音は、張った弱音です。聴こえてくる音は小さいですが、エネルギーが凝縮されている。だからしっかり飛んできます。微かな音でもそこに乗せている言葉が聴こえてくるのは素晴らしいと思いました。7曲それぞれ特徴があって、華やかな曲もあれば、落ち着いた曲もあるわけですが、その違いを多彩な表現で見せるというよりは、ひとつの世界の中で、スピードとダイナミクスの幅で聴かせてくれたと思います。N響の伴奏も基本はピアニシモであり、そのちょっと重たいドイツの空気感を表現するのに上手に関与していました。素晴らしい演奏だったと思います。

 後半のニルセンは久しぶりの鑑賞。前回N響が取り上げたのは2002年、アラン・ギルバートの指揮でしたから17年ぶりです。四つの楽章が、胆汁質、粘液質、憂鬱質、多血質の四つの気質に対応しているという交響詩のような交響曲ですが、その描き分けが楽しい。パーヴォとN響のコンビは、前半の「角笛」とは一転してアグレッシブで激しい演奏を聴かせてくれました。前半と後半の対比が見事でした。

 なお、今回のヴィオラのスーチェさんは純粋な客演と思われますが、チェロの伊藤さんは、確認したわけではありませんが、入団試験の一環のようです。本来の首席奏者の藤森さんがトップサイドに廻っていました。

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2019年06月08日 第1916回定期演奏会
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

曲目: バッハ(ウェーベルン編曲) リチェルカータ
  ベルク   ヴァイオリン協奏曲「ある天使の思い出のために」
      ヴァイオリン独奏:ギル・シャハム
  ブルックナー   交響曲第3番 ニ短調 第3稿(1889)

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:客演(ミュンヘン・フィルのロレンツ・ナストゥリカ・ヘルシュコヴィチさん)、2ndヴァイオリン:大宮、ヴィオラ:客演(ベルリン・フィルのマテ・スーチェさん)、チェロ:桑田、ベース:吉田、フルート:神田、オーボエ:吉村、クラリネット:伊藤、ファゴット:水谷、サクソフォーン:客演(フリー奏者の大城正司さん)、ホルン:今井、トランペット:長谷川、トロンボーン:新田、チューバ:客演(フリー奏者の田村優哉さん)、ティンパニ:久保、ハープ:早川

弦の構成:交響曲:16型、その他:14型

感想

 私にとっての2018/2019シーズン最後の定期演奏会でした。全体的にシャープな明晰な演奏で、有終の美を飾ったのかな、と思います。

 バッハの「リチェルカータ」。「音楽の捧げもの」の一曲。「音楽の捧げもの」は楽器の指定もなく、曲順もあいまいということで、オルガン独奏や弦楽合奏などいろいろな演奏形態あるわけですが、今回はウェーベルン編曲のオーケストラ版です。この曲は「王の主題」いくつもの金管楽器に受け渡されながら進むところに特徴があるのですが、その受け渡しがスムーズにいかず、ぎくしゃくしたところがありましたが、そこを除けば、ウェーベルンの考えるバッハの世界がきっちりと描かれていたように思います。

 ベルクの「ヴァイオリン協奏曲」。20世紀に作曲されたヴァイオリン協奏曲の最高傑作としてしばしば演奏されますが、12音技法の本質から、なかなか聴き手を納得させるのは難しい作品です。この曲は、知的なアプローチで攻めて、独特の転調感というか調性感を湧き上がらせるのが良い演奏なのだろうな、と今回のシャハムの演奏を聴いて感じたところです。

 シャハムは、この曲を得意としていますが、それはよく考えたアプローチができる、ということなのだろうと思います。情感も熱も感じられる演奏だったのですが、おそらくそれは演奏技術の曲の解釈の融合の中で浮かび上がらせたもので、本質は冷静なアプローチで計算されつくしたものだったのでしょう。ヤルヴィのアプローチもクールな対応で、N響のクールな側面を見せるようにして、それがシャハムの計算と上手く調和していたように思いました。それで音楽が流れたことにより、一致感が出てきて、ソリストとコンサートマスターとの掛け合いなどはとても素晴らしいものになりました。非常に優れた演奏だったと思います。

 ブルックナーの交響曲3番。特別速い演奏ではありませんが、全体としてすっきりとして推進力のある演奏でした。パーヴォも極端なデフォルメは行わず、すっきりと演奏させたことにより、N響の高度な演奏技術が前面に出てきたのかな、と思いました。金管のフォルテシモも、弦のトレモロも流石で上手でそれが一体感を持って流れるところが素晴らしい。その流れが音の肌合いをスマートにし、シャープな演奏に仕上げたものと思いました。パーヴォの音楽性とN響の技術が上手に絡み合った、お互いの信頼関係を見せてくれるような音楽で、聴きごたえがありました。

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