NHK交響楽団定期演奏会を聴いての拙い感想-2015年(後半)

目次

2015年09月12日 第1814回定期演奏会 広上 淳一指揮
2015年09月26日 第1816回定期演奏会 ヘルベルト・ブロムシュテット指揮
2015年10月03日 第1817回定期演奏会 パーヴォ・ヤルヴィ指揮
2015年11月15日 第1820回定期演奏会 ディエゴ・マテウス指揮
2015年12月04日 第1823回定期演奏会 シャルル・デュトワ指揮
2015年12月11日 第1824回定期演奏会 シャルル・デュトワ指揮


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2015年09月12日 第1814回定期演奏会
指揮:広上 淳一

曲目: ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番ニ短調 作品30
      ピアノ独奏:ニコライ・ルガンスキー 
     
ドヴォルザーク 交響曲第8番ト長調 作品88

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:白井、ヴィオラ:客演(フリー奏者の川本嘉子さん)、チェロ:藤森、ベース:西山、フルート:甲斐、オーボエ:茂木、クラリネット:伊藤、バスーン:宇賀神、ホルン:福川、トランペット:菊本、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:植松

弦の構成:協奏曲:変則12型(12-10-8-6-6)、ベートーヴェン:14型

感想

 広上淳一が歌心の豊富な指揮者であることは昔からよく知っていますが、今回のコンサートでもそのことを再認識することが出来ました。大変素敵な演奏会で良かったと思います。

 最初のラフマニノフの3番のピアノ協奏曲。この作品は、「華やかな作品」というのが、私の昔から持っていた印象なのですが、ソリストのルガンスキー、結構武骨に料理していきます。曲の持つ華麗さというよりは、ロシア的な力強さを表に出した演奏というべきか。技術的には素晴らしいものを持っており、そのダイナミックな演奏は悪いものではないのですが、私のラフマニノフの第3ピアノ協奏曲に持っているイメージとは少し違います。

 広上も私と同じような感覚があったのではないでしょうか。第一楽章は、N響を控えめにサポートさせた感じがしますが、段々広上の主張が大きくなっていくイメージ。広上の主張が音楽に占める割合が増えると、セピア色だった音楽がカラーに変わったような印象になりました。第三楽章。オーケストラ、良かったです。結果として立派なフィナーレになりました。

 後半のドヴォルザークの8番の交響曲。広上の歌心がこれでもかと噴き出した演奏。彼の指揮を見ていると、自分のやりたいことを身体全体で表現していることがよく分かり、かつそれに対してN響が機敏に反応していることが分かります。結果として瑞々しいカンタービレに溢れた音楽になりました。広上が才能のある指揮者であることをまた再認識できた演奏会でした。

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2015年09月26日 第1816回定期演奏会
指揮:ヘルベルト・ブロムシュテット

曲目: ベートーヴェン 交響曲第2番ニ長調 作品36
     
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番変ホ長調 作品73「皇帝」
      ピアノ独奏:ティル・フェルナー 

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:白井、ヴィオラ:佐々木、チェロ:桑田、ベース:市川、フルート:神田、オーボエ:青山、クラリネット:松本、バスーン:宇賀神、ホルン:今井、トランペット:客演(東京フィルの長谷川智之さん)、ティンパニ:久保

弦の構成:変則12型(12-12-8-6-4)

感想

 流石に指揮姿に老いは隠せなくなってきました。何を言っても88歳の長老指揮者です。でも、紡ぎ出される音楽の何と若々しいことか。

 ベートーヴェン2番の第一楽章、序奏からアダージョからアレグロ・コン・ブリオに入った所にブロムシュテットの本領が見えました。本当に颯爽たる音楽。ゆるみがなくて若々しい。ベートーヴェンの若さあふれる音楽を長老指揮者が十全に示しました。その後も遅くなることのない疾走で、ベートーヴェンの若さをきっちり示したと思います。対照的に第二楽章の優美、スケルツォ及びフィナーレの軽快さ。浮き浮きするような素敵な演奏を聴かせてもらったと思います。ベートーヴェンの初期の交響曲は、重厚な演奏より、若々しい演奏の方が絶対似合っていると思っているのですが、今日のブロムシュテットの指揮で再認識いたしました。

 後半の皇帝協奏曲。こちらも軽快な演奏。ティル・フェルナーというピアニスト、知的なアプローチが見事です。このピアニスト、打鍵に力があり、音の充実感はあるのですが、もたもたとしないのです。ブレンデルのお弟子さんだそうで、確かにブレンデル的な木質感はあるのですが、ブレンデルほど重くはないといったところでしょうか。結果として、「皇帝」協奏曲の持つスケール感をどっしりとではなく、軽快に示してくれたように思います。

 ブロムシュテットのサポートも軽快で、先の交響曲2番と類似したアプローチ。一寸鮮度の良い演奏を聴かせてもらったなという感じがしました。とても素敵でした。

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2015年10月03日 第1817回定期演奏会
指揮:パーヴォ・ヤルヴィ

曲目: マーラー 交響曲第2番ハ短調「復活」
      ソプラノ・ソロ:エリン・ウォール
      アルト・ソロ:りり・パーシキヴィ 
      合唱:東京音楽大学 

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:篠崎、2ndヴァイオリン:白井、ヴィオラ:客演(新日本フィルの篠崎友美さん)、チェロ:桑田、ベース:吉田、フルート:神田、オーボエ:青山、クラリネット:伊藤、バスーン:水谷、ホルン:今井、トランペット:菊本、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:植松、ハープ:早川、オルガン:客演(東京芸術劇場オルガニストの新山恵理さん)

弦の構成:⒗型

感想

 パーヴォ・ヤルヴィN響首席指揮者就任の「お披露目」コンサート。パーヴォがN響の首席指揮者になるというニュースが流れたのはもう3年ほど前になると思いますが、遂にその日が来たという感じです。パーヴォは何といっても、世界的に見て今脂が一番乗った指揮者の一人です。期待は大きい。

 彼が「お披露目」のために選んだのが、マーラーの「復活」でした。「復活」という曲は演奏するためには、オーケストラのメンバーだけで110人以上、ソリスト二人、大規模な合唱団(今回の東京音大は、ソプラノ:31、アルト:27、男声:39)の合計200人以上の演奏者が必要で、何かがないとなかなか演奏しにくい作品です。内容的にも「人間の死から救済への復活」を示した宗教的な壮大な曲であり、「お披露目」にはふさわしということなのでしょう。

 演奏内容については、この人数が参加する曲です。無傷という訳にはいきません。特にピアノで弦が演奏するような部分は、どうしてもタイミングが合わない部分もありますし、腰が弱くなる部分もある。パーヴォの要求がデュナーミクを大きく取って、メリハリをしっかりつける、ということはあると思うのですが、N響がその要求に少し振り回されていたのかな、という部分がなかったとは言えないと思います。

 そうであっても、全体の音楽的感興は素晴らしいものがありました。そういう音楽を作り上げてみせるのが、パーヴォの才能であり、実力なのでしょう。合唱はよくはもって立派でした(特に男声低音がしっかり響いて来たのが素晴らしい)。ソリストはアルトが音楽の雰囲気に上手く溶け込み、ソプラノも自分の役目を十分に果たしたといえると思います。

 「お披露目」、成功裏に終わったと申し上げましょう。

 ちなみに「復活」は、オーケストラの迫力を聴くには良い曲ですが、一寸こけおどしの部分がないことはないと思います。その点で、Cプロのショスタコーヴィチ&バルトークに期待していたのですが、チケットは先週の段階で既に売り切れ。聴きに行けません。五島みどり人気ということなのでしょうね。

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2015年11月15日 第1820回定期演奏会
指揮:ディエゴ・マテウス

曲目: マーラー 交響曲第5番嬰ハ短調〜アダージェット
     
マーラー リュッケルトによる5つの歌
      ソプラノ独唱:ケイト・ロイヤル 
       
  チャイコフスキー    交響曲第5番ホ短調作品64 

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:ゲスト・コンマス:ベルンヘルト・ハルトーク、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:客演(新日本フィルの篠崎友美さん)、チェロ:銅銀、ベース:吉田、フルート:神田、オーボエ:茂木、クラリネット:伊藤、バスーン:宇賀神、ホルン:今井、トランペット:菊本、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:久保、ハープ:早川、ピアノ/チェレスタ:客演(フリー奏者の梅田朋子さん)

弦の構成:12型(歌曲)、⒗型(その他)

感想

 今回の定期公演は、弦楽器がいつにも増してエキストラが多かった印象です。第1ヴァイオリンが、コンマス以下6名、第2ヴァイオリンが4名、ヴィオラが5名、チェロが3名、コントラバス2名がエキストラでした。それでも日本の弦楽器は技術的なレベルが高いですから、弦楽合奏は流石に見事です。マーラーの「アダージェット」。非常に美しく響きました。

 リュッケルトによる5つの歌。ケイト・ロイヤルの独唱。繊細な表情を見せて良いのですが、ドイツ語の発音が一寸英語的になってしまうところがあったのが残念。歌唱に関しては、上向跳躍をすると、高音が辛い感じになって薄くなります。全体として同じ厚みがあって、そこから彫刻刀で切り出していくような歌唱ではなく、元々波があって、それに乗ったり、あるいは切り込んだり、という感じの歌唱。一寸音楽に翻弄されていた部分もあったように思いました。

 チャイコフスキーの第5交響曲。マテウスが得意とする曲らしく、ガンガン飛ばしていきます。指揮者の若さを感じさせる演奏でした。マテウスの思い入れが良く表れていて、良い意味で個性的にまとまっていました。N響のメンバーはこの速いテンポでの指揮にしっかり食らいついている感じでスリリングな演奏だったと思います。客席の興奮を呼ぶ演奏でした。私の個人の趣味としては、一寸やり過ぎかなと思いましたが、観客の支持は得たと思います。

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2015年12月4日 第1823回定期演奏会
指揮:シャルル・デュトワ

曲目: リヒャルト・シュトラウス 楽劇「サロメ」(全1幕、演奏会形式、字幕付)
       
  出演   
ヘロデ キム・ヘグリー(テノール)
  ヘロディアス  ジェーン・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)
  サロメ  :  グン・ブリット・バークミン(ソプラノ) 
  ヨカナーン  :  エギルス・シリンス(バス・バリトン) 
  ナラポート  :  望月 哲也(テノール) 
  ヘロディアスの小姓  :  中島 郁子(メゾ・ソプラノ) 
  五人のユダヤ人1  :  大野 光彦(テノール) 
  五人のユダヤ人2  :  村上 公太(テノール) 
  五人のユダヤ人3  :  与儀 巧(テノール) 
  五人のユダヤ人4 :  加茂下 稔(テノール) 
  五人のユダヤ人5 :  畠山 茂(バス・バリトン) 
  二人のナザレ人1  :  秋谷 直之(テノール) 
  二人のナザレ人2  :  駒田 敏章(バリトン) 
  二人の兵士1  :  井上 雅人(バリトン) 
  二人の兵士2  :  斉木 健嗣(バス) 
  カッパドギア人  :  岡 昭宏(バリトン) 

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:白井、ヴィオラ:佐々木、チェロ:藤森、ベース:西山、フルート:神田、オーボエ:茂木、クラリネット:伊藤、バスーン:宇賀神、ホルン:福川、トランペット:菊本、トロンボーン:客演(東京交響楽団の鳥塚心輔さん)、チューバ:客演(日本センチュリー交響楽団の近藤陽一さん)、ティンパニ:植松、ハープ:客演(フリー奏者の水野ほなみさん)、チェレスタ:客演(フリー奏者の梅田朋子さん)、オルガン:客演 (フリー奏者の鎌田涼子さん)

弦の構成:16-16-12-10-8

感想

 ここ何年か、12月の定期演奏会はデュトワが登場して、オペラか大規模声楽曲を行うというのが、通例になっています。今年は「サロメ」。サロメは新国立劇場や二期会でこれまでも何回も聴いておりますが、今回N響で聴いてみて、演奏会形式が良く似合う作品だと思いました。

 19世紀の世紀末、オーケストラ音楽の名手として活躍したリヒャルト・シュトラウスが満を持して発表した作品ですから、オーケストレーションが凝っていて分厚い。基本4管構成の大オーケストラに、チェレスタ、オルガン、ヘッケルホーンなども登場する曲で、そのオーケストラの多彩さを味わうには、オーケストラ・ピットに入っているよりも、舞台に乗った方が良いということですね。

 その上、指揮者が大編成のオーケストラを料理するのが得意のデュトワです。堪能しました。デュトワは縦の線が揃っていて、見通しの良い音楽を作るのが得意な方です。そういう行き方は、大編成の音楽で特に効果を発揮するようで、色々な楽器が出す音で色々な和音が飛び交う訳ですが、それがすっきりとまとまっているのが凄いと思います。個々の奏者のレベルが高いということも勿論わかるわけですが、例のサロメの動機がオーボエで吹かれ、そのあとフルートがサポートする音などは官能的であるとは思えませんでしたが、きっちりして立派だなと素直に思いました。

 歌手も良い。まずタイトルロールのグン・ブリット・バークミン。素晴らしいドラマティック・ソプラノ。最後のサロメのモノローグ。あの部分は、歌手が疲れてしまって結構事故が起こりやすい場所ですが、余裕綽々。高音の厚いけれども美しい響きが、やはり響きの整ったN響とマッチしていてすこぶる立派。低音部がやや飛びが悪くて玉に瑕という感じではありましたが、あの低音でドスを利かせてくれると、品の悪いサロメになってしまうので、今日ぐらいが良いのかもしれません。最初はややセーブしていたようにも思いますが、後半がとても素晴らしかった印象です。Bravaです。

 ヨカナーンのエギリス・シリンズもよい。ただ、彼の場合は、オーケストラの前で歌っている時よりも舞台袖でかげ歌いをしている時の方が、声の質といい飛び方といい、明らかに良かったと思います。陰では若干電気的な操作がされていたかもしれません。

 日本人勢では、望月哲也のナラポートが外人勢に引けを取らない立派さ。ナラポートは彼の持ち役で新国立劇場でも何度も歌っていますから当然といえば当然ですが、歌には向かないNHKホールで、100人を超えるオーケストラを前にあれだけ歌って頂ければ大いに満足です。また小姓役の中島郁子もとても良かったと思います。その他の脇役勢も前回の新国立劇場公演や来年の新国立劇場公演で歌うことになっているメンバーが多く、しっかり役割を果たしていたと思いました。

 一方、ベテランベグリーのヘロデ、ヘンシェルのヘロディアスは勿論水準以上の歌唱ではあったのですが、オーケストラに押されていた部分があったのかな、という感じがいたしました。

 トータルではレベルの高い演奏で、デュトワ、N響の実力を又示した、ということなのだろうと思います。

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2015年12月11日 第1824回定期演奏会
指揮:シャルル・デュトワ

曲目: マーラー 交響曲第3番ニ短調
アルト独唱 ビルギット・レンメスト
  女声合唱  東京音楽大学
  合唱指揮 :  阿部 純 
  児童合唱  :  NHK東京児童合唱団 
  児童合唱指導  :  金田 典子 

オーケストラの主要なメンバー(敬称略)
コンマス:伊藤、2ndヴァイオリン:大林、ヴィオラ:佐々木、チェロ:向山、ベース:市川、フルート:甲斐、オーボエ:茂木、クラリネット:松本、バスーン:水谷、ホルン:今井、トランペット:菊本、トロンボーン:新田、チューバ:池田、ティンパニ:植松、ハープ:早川

弦の構成:16型

感想

 オーケストラの普通のレパートリーで一番演奏時間が長い交響曲がマーラーの第3番だそうです。演奏時間は約100分です。でも100分を持たせられるような名曲か、と申し上げれば勿論そんなことはない。結構支離滅裂で、そこが面白いと言えば面白いですが、私の趣味からすれば、全然好みではありません。でも、良い指揮者が指揮すると、よい結果に繋がるようで、何年か前に、チョン・ミョンフムが振った時も良い演奏になりました。今日のデュトワ指揮の演奏も良かったと思います。

 マーラーの3番は、四管100人を超える大オーケストラに、アルトソロ、女声合唱、児童合唱が付く規模の大きな作品ではありますが、全員でフォルテで強奏する部分はあまり多くなく、弦楽器の弱奏にオーボエのソロが乗り、それにフルートがオブリガートで付けて少人数で演奏される部分も少なくないのですが、デュトワはそういう繊細な部分の表現が上手いと思います。

 デュトワの特徴は、オーケストラをきらびやかにドライブする指揮者だという風に見られていますが、その本質はスコアの縦の線合わせることによって、音の見通しをよくすることに長けた指揮者です。だから、大オーケストラを演奏しても混沌とした音にならずきらびやかな訳ですが、そういう特徴が、少人数で演奏する部分では精妙な音の組合せになってとても美しく響くのだろうと思います。

 そして、N響の首席奏者たちのヴィルトゥオジティがデュトワの意図を良くくみ取って演奏するので、オーケストラにとって結構鬼門の緩徐楽章の弱奏部分が素敵でした。伊藤コンマス、フルート甲斐、オーボエ茂木、クラリネット松本、ファゴット水谷がそれぞれ素晴らしく、ホルンの一列目も立派でした。トランペット首席の菊本さんはバンダのトランペットソロも担当しましたがそれが抜群に上手で、デュトワが喜び、カーテンコールの時わざわざ、指揮台脇まで呼んで讃えました。

 アルト独唱のビルギット・レンメストは深みのある艶やかな声で、静謐に歌詞を表現し、児童合唱も非常に見事、東京音楽大学の合唱もとても良かったと思います。正に聴き甲斐のある演奏会でした。

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