2015年NHK交響楽団定期演奏会ベスト3

第1位:12月Aプログラム シャルル・デュトワ 指揮

曲目: リヒャルト・シュトラウス 楽劇「サロメ」(全1幕、演奏会形式、字幕付)
      出演
      ヘロデ : キム・ヘグリー(テノール)
ヘロディアス : ジェーン・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)
サロメ :  グン・ブリット・バークミン(ソプラノ) 
ヨカナーン :  エギルス・シリンス(バス・バリトン) 
ナラポート :  望月 哲也(テノール) 
ヘロディアスの小姓 :  中島 郁子(メゾ・ソプラノ) 
五人のユダヤ人1 :  大野 光彦(テノール) 
五人のユダヤ人2 :  村上 公太(テノール) 
五人のユダヤ人3 :  与儀 巧(テノール) 
五人のユダヤ人4 :  加茂下 稔(テノール) 
五人のユダヤ人5 :  畠山 茂(バス・バリトン) 
二人のナザレ人1 :  秋谷 直之(テノール) 
二人のナザレ人2 :  駒田 敏章(バリトン) 
二人の兵士1 :  井上 雅人(バリトン) 
二人の兵士2 :  斉木 健嗣(バス) 
カッパドギア人 :  岡 昭宏(バリトン)

 

第1位:12月Cログラム シャルル・デュトワ 指揮

曲目: マーラー 交響曲第3番
      アルト独唱 : ビルギット・レンメスト
    女声合唱 : 東京音楽大学
      合唱指揮 : 阿部 純
      児童合唱 : NHK東京児童合唱団
      児童合唱指導 : 金田 典子

 

第3位:9月Cプログラム 広上 淳一 指揮

曲目: ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番 ニ短調 作品30
      ピアノ独奏:ニコライ・ルガンスキー
  ドヴォルザーク    交響曲第8番 ト長調 作品88 

次点:6月Cプログラム アンドリス・ボーガ 指揮

ベスト指揮者:シャルル・デュトワ
ベスト・ソリスト:グン・ブリット・バークミン(ソプラノ)

選択の理由

 NHK交響楽団が行う年間27プログラムの定期演奏会うち、NHKホールで実施される18回の公演を全部聴くことを目標に行動しているのですが、2015年は14回しか聴くことが出来ませんでした。聴けなかったのはほぼCプロ。

 私はA定期会員で、Cプログラムについては、自由席で入場するのですが、今年は売り切れが多かった。人気ソリストが登場するときは特にそう。庄司紗耶香の出演した2月、五島みどりが登場した10月とかですね。10月のCプロは、9月のCプロの時にN響ガイドまで買いに行ったのですが、その時点で完売でした。N響のコンサート自体の人気が上がっているということもあるのでしょう。私自身は残念ですが、N響や日本のクラシック音楽界にとって、大変結構なことです。

 さて、個々の感想のまとめです。

 本年は、1月にまず、ジャナンドレア・ノセダが登場しました。彼独特の解釈の際立った演奏は好悪のあるものだと思いますが、私は嫌いではありません。特にフォーレ「ペレアスとメリザンド」が好演。Cプロは所用で行かれず。

 2月は、パーヴォ・ヤルヴィが登場しました。9月からの首席指揮者就任前振りという感じです。私はCプロは聴けず、Aプロのみ。エルガーのチェロ協奏曲とマーラーの「巨人」。繊細で素敵な演奏でしたが、N響としては結構テクニカルなミスが目立った演奏でした。Cプロは庄司紗耶香が登場するということでチケット入手できませんでした。

 4月は、セバスティアン・ヴァイグレとウラーディーミル・フェドセーエフが登場。ヴァイグレの歌心溢れる演奏が見事。後半もワーグナーでソロを歌ったヨン・ガンチョルも素晴らしい。フェドセーエフの「シャエラザード」はN響のヴィルトゥオジティを示すものでした。

 5月は、ユッカ・ペッカ・サラステとエド・デ・ワールトです。サラステの演奏は「お国もの」感の非常に強い「シベリウス」が特徴的。デ・ワールトは、ジンマンがキャンセルしたことによる急な登場。プログラムもジンマンのものを引き継ぎましたが、それなりの演奏でした。

 6月は、ステファヌ・ドゥネーヴとアンドリス・ボーガ。どちらも初めて耳にする指揮者でしたが、私はボーガを買います。シーズンを締めくくるにふさわしい演奏でした。

 9月はブロムシュテットと広上淳一。どちらも素敵な演奏。ブロムシュテットによるベートーヴェン2番の若々しさと、広上のドヴォ8の歌心を堪能しました。

 10月は首席指揮者に就任したパーヴォ・ヤルヴィが登場。期待のCプロはチケットを入手できず諦め。Aプロのマーラー「復活」は良い演奏でしたが、ちょっとケレンが強すぎる印象。次回の登場に期待したいところです。

 11月は、ディエゴ・マテウスとウラディーミル・フェドセーエフ。フェドセーエフの方は、ショパンコンクールの優勝者がショパン「ピアノ協奏曲第1番」を演奏するためかチケットが入手できず聴きませんでした。マテウスは初めて聴く若い指揮者。その若さを曲にぶつけていた印象です。

 12月は例年通りシャルル・デュトワ。演奏会形式で上演した「サロメ」は、私がこれまで聴いたあらゆるサロメの中で一番の名演。Cプロのマーラーの3番も曲は嫌いですが、演奏の見事さは讃えるしかありません。

 さて、ベスト3の選択ですが、トーナメント方式で絞っていきましょう。

 1月と2月では2月のヤルヴィを取ります。4月はヴァイグレ。5月はどっちもどっちですが、デ・ワールトでしょうか。6月はボーガ。9月は広上。10,11月はヤルヴィ。12月のデュトワはどちらも超弩級の名演でしたので、どちらも捨てがたい。

 2月と4月ではやはりヤルヴィでしょう。6月と9月では僅差で広上。10月と12月の残した3つの演奏では、1位「サロメ」、2位「マーラー3番」、3番「復活」は動きません。この5回の演奏とボーガの若々しくも素敵な演奏を含めて順位をつけると、上記のようになります。

 ベスト・指揮者はデュトワ、ベスト・ソリストは「サロメ」で圧倒的なモノローグを歌ったソプラノ・グン・ブリット・バークミンにいたします。

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2015年12月27日記

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