2008年NHK交響楽団定期演奏会ベスト3

第1位:2月Aプログラム チョン・ミョンフン指揮

曲目: メシアン   キリストの昇天 
       
  ブルックナー   交響曲第7番 ホ長調(ノヴァーク版)

 

第2位:12月Aプログラム シャルル・デットワ指揮

曲目: ストラヴィンスキー   バレエ音楽「ミューズの神を率いるアポロ」
       
  ストラヴィンスキー   オペラ・オラトリオ「エディプス王」
      演奏会形式、字幕翻訳:井内百合子、語り翻訳:松岡和子

エディプス王の出演者

エディプス王 ポール・グローヴス(テノール)
ヨカスタ ペトラ・ヤング(メゾソプラノ)
クレオン、伝令 ロベルト・ゲルラフ(バリトン)
ティレシアス デーヴィッド・ウィルソン・ジョンソン(バス・バリトン)
羊飼い 大槻 孝志(テノール)
語り 平 幹二朗
合唱 東京混声合唱団

 

第3位:4月Cプログラム 準・メルクル 指揮

曲目: メシアン   トゥランガリラ交響曲 
      ピアノ独奏:ピエール・ロマン・エラール
      オンド・マルトノ独奏:原田節

次点:1月Aプログラム ヘルベルト・ブロムシュテット指揮

ベスト指揮者:チョン・ミョンフン

ベスト・ソリスト:マルティン・ヘルムヒェン

選択の理由

 NHK交響楽団が行う年間27プログラムの定期演奏会うち、2008年は17回を聴きました。その17回に関して申し上げれば、昨年とは反対で、本年は前半が素晴らしく、後半はさほどでもない演奏会が多い一年だった、と総括することが出来るのではないかと思います。そういう意味では、2007-2008年シーズンは、類い稀な嬉しいシーズンだった、と申し上げるべきなのでしょう。

 本年1月には、まず名誉指揮者・ブロムシュテットが登壇し、得意のブルックナーで素晴らしい音楽を聴かせていただきました。Cプロのオール・シベリウス・プログラムは、私はあまり感心しませんでしたが、会場の拍手はとても多かったことを覚えています。次いで2月は、N響定期10年ぶりの登場となる、チョン・ミョンフン、Aプロのブルックナーといい、Cプロのマーラーといい、通常のN響の演奏会では見られない大きな編成のオーケストラを用い、精妙な音楽を作り上げました。チョンの音楽性と統率力、そして、N響の演奏能力の高さが合致した名演奏だったと思います。

 4月の準・メルクルも素晴らしい。中村紘子をソリストに迎えたラフマニノフは、珍しく中村が丁寧な演奏でよかったですし、シェーンベルグの「ペレアス」も大変素敵な演奏でした。それにも増してよかったのは、トゥランガリア交響曲。準の音楽性の高さを満喫いたしました。5月の尾高忠明のプログラムも抜群でした。フライシャーをソリストとしたの皇帝こそ低レベルで失望しましたが、ルトスワフスキの「オケコン」、そしてゲルバーをソリストに迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲3番と得意のエルガーの交響曲とを組み合わせたCプロ、立派な演奏が続きました。6月のザネッティも悪くありません。まずAプロではヘルムヒェンをソリストに迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の名演奏がありました。Cプロでは、レスピーギのローマ三部作のうち、「ローマの松」と「ローマの祭り」をとり上げて、素敵な演奏を作りました。

 以上前半は、ソリストが問題の演奏会があったのは事実ですが、オーケストラのみを考えれば、どれも水準を越えた演奏で、大いに楽しむことが出来ました。

 これに反して後半は、「イマイチ」の嵐でした。

 9月のドレヴァンツとエトヴェシュ、10月のリットンとノセダ、11月のコウトとどれも今ひとつでした。この中ではアンドリュー・リットンの指揮した10月のAプロが比較的まし、というところでしょうか。

 このもやもやを晴らしてくれたのが12月の名誉音楽監督デュトワの登場です。デュトワはこれが同じオーケストラかと思わせるぐらいに生気ある音を引き出しました。オール・ストラヴィンスキープログラムのAプロ、フランスものと「惑星」で組んだCプロともに、大変良い演奏でした。

 以上の中からベスト3候補を選ぶとすれば、1月のAプロ、2月Aプロ、Cプロ、4月Aプロ、Cプロ、5月Cプロ、6月Aプロ、Cプロ、12月Aプロ、Cプロでしょうか。同一指揮者の二つの演奏会はそれぞれひとつにまず絞ります。

 2月のチョンの演奏は、どちらも本当に捨てがたいのですが、ブルックナーを演奏したAプロを採りましょう。ブルックナー嫌いの私をあれだけ唸らせたのですから、無視は出来ません。4月の準・メルクルは、「トゥランガリア」を演奏したCプロで良いでしょう。6月のザネッティはヘルムヒェンに敬意を表してAプロにしましょう。12月のデュトワは滅多に演奏されないオペラを演奏会形式でとり上げたAプロの方にします。

 この6プログラムから3つを残します。まず、この顔ぶれではザネッティは貫禄負けです。とりあえず落とします。尾高とブロムシュテットではブロムシュテットのほうが年齢から来る落着きがあってよかったように思います。残った4つから3つを選ぶとすれば、以上のような選択になるのでしょう。

 こうやって見ると、名手・巨匠と呼ばれる人たち、はそれなりの理由があるようです。

 以上、本年のベスト指揮者はチョン・ミョンフン、ベストソリストはゲルバーとヘルムヒェンとに迷いながら、ヘルムヒェンを選びたいと思います。

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2008年12月27日記

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