2005年NHK交響楽団定期演奏会ベスト3
第1位:6月Aプログラム パーヴォ・ヤルヴィ指揮
曲目: トゥール アディトゥス(2000/2002改訂) プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 作品26 ピアノ独奏:アレキサンドル・トラーゼ シューマン 交響曲第3番 変ホ長調 作品97「ライン」 第2位:12月Aプログラム 広上淳一 指揮
曲目: ハイドン オラトリオ「天地創造」 独唱者:ソプラノ(カブリエル・エヴァ);釜洞祐子、 テノール(ウリエル) ;佐野成宏、 バリトン(ラファエル・アダム);久保和範、 合 唱:東京音楽大学(合唱指導:田中信昭/篠崎義昭/阿部純/船橋洋介) 第3位:4月Aプログラム 準・メルクル指揮
曲目: ハイドン 協奏交響曲 変ロ長調 Hob.I-105 ヴァイオリン独奏:篠崎史紀、チェロ独奏:藤森亮一 ファゴット独奏:水谷上総、オーボエ独奏:茂木大輔 リスト ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調 ピアノ独奏:横山幸雄 バルトーク 管弦楽のための協奏曲 Sz.116
次点:10月Cプログラム ウラディーミル・アシュケナージ指揮
選択の理由
NHK交響楽団が行う年間27プログラムの定期演奏会うち、2005年は17回を聴くことができました。例年と同様、私の趣味にあった演奏会も何回かありましたし、私の趣味とは異なった演奏会も何回かありました。全体的に言えることは、意欲的な指揮者が演奏するときはいい演奏になる傾向が強く、そうではないとそれほどではない、ということでしょうか。
印象深かった演奏を1月から順に挙げて行くと、1月のAプログラム、音楽監督・アシュケナージのメンコンとシューベルトの大交響曲。なかなかよかったと思います。ヤンセンの温かみのあるヴァイオリン独奏が印象的であり、さらにドイツ的な雰囲気のある大交響曲。聴きものだったと思います。
次いで4月のAプロが良かった。準メルクルのコンチェルトによるアプローチ。ハイドンの協奏交響曲、リストのピアノ、それにバルトークのオケコンという組み合わせだったわけですが、古典、ロマン、近代のそれぞれ代表とも言うべき形式をうまく見せた名演奏会でした。横山幸雄のピアノも、協奏交響曲におけるN響首席奏者たちの技術も見事。
同じ準・メルクルの指揮でも「ミサ・ソレムニス」はあまり買いません。荘厳性が薄くて私の趣味ではない。
5月定期(演奏会があったのは6月です)のパーヴォ・ヤルヴィは、Aプロ、Cプロ共に聴きものでした。Cプロにおけるシューマンのチェロ協奏曲の静謐な音楽は絶妙のものですし、更にAプロのトラーゼの超絶技巧によるプロコフィエフがまた実に結構。そして、シューマンのライン交響曲の見事さ、何をかいわんや、でございます。
6月定期(演奏会があったのは7月です)はCプロが比較的良かった。特にN響首席クラリネット奏者・横川晴児によるモーツァルトのクラリネット協奏曲は聴きものでした。
9月定期は、ピンカス・スタインバーグの指揮。Aプロが相対的に優れていました。幻想交響曲がデュトワとは違ったアプローチで楽しめました。
10月定期は、音楽監督・アシュケナージによるヨーロッパ公演の予行演習を兼ねた演奏会。Cプログラムが良かった。レーピンをソリストに迎えたベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲も技巧の冴えをひしひしと感じる名演でしたし、ショスタコの第8交響曲はアシュケナージの体質によくあった音楽のようで、実に見事な演奏でした。
11月定期は、バーメルトによるもの。オーケストラはあまり感心しなかったのですが、イモジェン・クーパーのピアノによるモーツァルトピアノ協奏曲第22番のピアノパートは実に結構なものでした。
12月定期はAプロ、広上淳一が指揮した、ハイドンのオラトリオ「天地創造」が実に名演奏。ソリストも合唱団もしっかりした歌唱を見出しましたし、オーケストラの繊細な音作りも大変結構でした。
以上、取り上げて、これこそ名演と申し上げられるのは、正直4プログラムぐらいでしょう。4月のAプログラム(準・メルクル)、5月のAプログラム(ヤルヴィ)、10月Cプログラム(アシュケナージ)、12月Aプログラム(広上)。
この4演奏会が私が聴いた全てのN響の演奏会のベスト4です。しかし、その順位付けは難しい。今の段階で、一番印象が深いのは先日聴いたばかりの広上「天地創造」ですが、本当にこれをそのままベスト1に推していいのかは分かりません。そういう時間的なファクターも踏まえて、頭書の順位付けをいたしました。
ベスト指揮者は、広上への惹かれるところがあるものの、パーヴォ・ヤルヴィ、ベスト・ソリストにはアレキサンドル・トラーゼ(ピアノ)を選びます。
2005年12月29日記
SEO | [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送 | ||